In Motion: Era Uma Vez Agora

サンパウロの街を舞台にしたSFの旅。地球に降り立った一行は、人間の身体が持つ異質な動きに気づく

人間という身体とその動きを初めて体験するとはどのようなものか――短編映画『Era Uma Vez Agora(かつて、今)』は、パラレルワールドのサンパウロを舞台にしたSFの旅を描き、外部の視点からその風景を観察する。

撮影監督のオーギュスタン・ロセランと脚本家のパトリック・ムローニが共同監督を務めた本作は、動きを主軸とした作品であり、別の銀河から移住してきた「人間とは少し異なる存在」のグループが、地球上で自らの身体を理解しようと試みる姿を描いている。謎めいたトレーニングプログラムを通じて身体の能力と向き合いながら、グループは共に想像上の状況や動き、情景へと踏み込み、身体が持つ強靭さと脆さを同時に描き出している。

映画として完成する以前からその歩みを始めた『Era Uma Vez Agora』は、2016年にロッサーランドが撮影したビデオエッセイを原点としている。この作品は、多分野にわたるプロジェクト「Futura Brasil」の一環として、あるアーティスト集団を記録したもだ。その映像の連なりの中に物語の可能性を見出したムローニは、映像に捉えられた異世界的な動きを包み込むようなシュールな物語を構築した。そして、断片的な振り付けとパノラマ的な風景が、動き続ける身体の特異性を通じて語られる「理解への旅」へと観客を導いていく。