Just Dance: Cor
断片化した部族が、ラディカルな自由を求めてスペインの荒野を駆け抜ける
ダンサーでモデルのメス・レスネが、Gen Zの自由を求める叫びを身体に宿した初の振付作品『Cor』。舞台となるのは、Lanzaroteに広がる火山地帯の荒涼とした大地だ。
レスネが選んだのは、彼と同じように、彼の世代が追い求める野性的でひたむきな自由を表現できるダンサーたち。未知の道を進み、息苦しい二元論や有害なステレオタイプから解放された新しい世界へと辿り着く。そのための旅だ。
振付の中心にあるのは、レスネが「unhooked jump」と呼ぶ動き。精神のエネルギーによって突き上げられる、壊れ、身体のパーツがばらばらになったようなジャンプだ。
荒々しい火山島の風景は、野生的なダンサーたちの一群が駆け抜ける舞台として完璧だった。鋭い視線を地平線へ向けながら、彼らは黒い大地に身体をまみれさせていく。
ひとりひとりの不規則で脈打つような動きは、互いに独立している。しかし、身体を飾る青い部族的なマーキングは、ダンサーごとに異なる一方で、彼らがひとつの全体に属していることを示している。
だからこそ、レスネがこのプロジェクトを構想したとき、ラグビーの荒々しくうねるような動きから着想を得ていたとしても不思議ではない。
「土砂降りの雨のなか、男たちがひとつのボールを奪い合い、身体をぶつけ合いながら泥だらけになっているのを見たんです」と振付家は語る。
「相手に対する恐れなど微塵もなく、互いに接触しようとしていた。その瞬間、ほとんど部族的な動きから生まれる、有機的な振付が頭に浮かびました。ひとつの群れをつくりたかった。そして、この息遣いと、自分自身を超えていく感覚を再解釈したかったんです」
そのビジョンを映像へと変えたのが、ディレクターデュオのシモナガン。エネルギッシュなカメラワークと荒々しいクローズアップによって、レスネが求めていた強烈なドラマと、競い合うようなクライマックスを生み出している。
『Cor』は、境界を越えて突き進む衝動的なダンスとして姿を現した、ひとつの行動への号砲だ。