Just Dance: The Name of a River

都市の境界の外へ。モリー・モアとエレノア・プリヴィテラが描く、クィア・ユートピア

人生の満ち引き、そして過去の自分と未来の自分をつなぐ変容の瞬間。その移ろいを映すように、自然の風景は絶えず姿を変え続ける場所でもある。都市という境界の外側で、ディレクターのMollie MooreとEleonora Priviteraは、自然が秘めるユートピアの可能性を探る。クィアな視点を中心に据えた新たな想像上の風景を描き出すショートフィルム『The Name of a River』だ。

ダンサーであり振付家でもあるファブリシオ・セラフィンの表現豊かな動きを追いながら、『The Name of a River』は、絶えず変化するクィアな経験の旅路を捉えていく。そのなかで育まれる成長、存在、そして自己を知るという感覚。

舞台となるのは、ニューヨーク州北部に広がる森の壮大な風景。モアとプリヴィテラは、自然を繰り返し立ち現れるモチーフとして見つめる。それは親密なセーフスペースであり、自らを振り返るための場所でもある。

その内側に自由が開かれる夢のような風景を探しながら、作品は音を通して森に宿る生々しいエネルギーを引き出していく。そして主人公の内面をめぐる旅へと静かにフォーカスしながら、人生という時間のなかを移動していく身体と精神の揺らぎを、繊細に描き出している。