Lil Buck: Aria
ベンジャミン・ミルピエがダンサーの卓越した身体性を称える、Jookin’二部作の後編
フランス人バレエダンサーで、『Black Swan』の振付を手がけたベンジャミン・ミルピエが、注目を集めるダンサー、リル・バックの自由自在な動きを捉えた新作ショートフィルムを発表した。
ミルピエの弟ロランが演奏する、Bachの1741年の「Aria」――『Goldberg Variations』に収められた楽曲をエレキギターで奏でたバージョンに乗せ、本作はダンスとしてのJookin’が持つ豊かさと、さまざまなメロディーやリズムを自在に渡り歩くバックの身体能力を映し出す。
ふたりが別の作品『Bacchanale』をともに撮影していた際、クラシックの訓練を受けたミルピエは、台本のないこの作品への参加をバックに持ちかけた。撮影はロサンゼルスのダウンタウンを背景に、午後から夜にかけて行われた。
ロケ地へ向かう車のなかで、ミルピエはバックに「Aria」を聴かせた。そして、メンフィス出身のバックに、ストリートで自由に即興することを委ねた。
「彼は曲のムードを理解していて、とても自然体で即興していました」と、これまでデヴィッド・ラング、ニコ・ミューリー、ティエリー・エスケシュ、フィリップ・グラスらとも仕事をしてきたミルピエは語る。
自身のダンス・クルーNew Styles Krewを率いるバックは、数々のバイラル動画をきっかけに一躍注目を集め、MadonnaとSuper Bowl XLVIのハーフタイムショーで共演。さらに彼女のMDNA Tourにも出演した。
「リル・バックのダンスには、あらゆるスタイルが入り込んでいます。バロックにも、インドにも、ロシアにも見えるステップを、彼は実際にそうしたスタイルに触れたことがなくても踊る。彼の身体には、完全な自由があるんです」とミルピエは語る。
「バックは、僕まで踊りたくさせる。僕の想像力への扉を開いてくれるんです」
ここでは、ゴムのようにしなやかな身体を持つバック自身が、床を滑るように移動する動きをどのように発見したのか、そしてMadonnaとのツアーで味わった、思わず笑ってしまうような楽しさについて語る。