My Place: マッシモ・ヴィタリ
イタリア人写真家が14世紀の教会に創り出した安らぎの空間
膨らませたワニのぬいぐるみ、水に濡れた人々の姿、キャンディケーン色の傘――これらは、イタリア人写真家マッシモ・ヴィタリが1995年に開始し、現在も続く「ビーチ・シリーズ」を象徴する要素だ。1944年にイタリアのコモで生まれたヴィタリは、賑わうスキーリゾート、クラブ、プール、広場などを捉えたパノラマ写真で国際的に知られており、人々が集うレジャースペースに潜む多層的な物語を掘り下げている。
「ヴィタリが選んだ住まいは、人々が集う場所への彼の関心を反映している」
バーバラ・アナスタシオが監督を務めたこのエピソードでは、人混みを離れ、ヴィタリが妻と息子と共に暮らすトスカーナの静かな街ルッカへと案内される。写真家の自宅は14世紀の教会で、その近年の歴史の一つとして、ムッソリーニ時代には若きファシストたちのボクシングやフェンシングのジムとして使われていた。
この写真家の巨大なカラー作品は世界中のギャラリーに所蔵されているにもかかわらず、ヴィタリは自宅に写真を一切飾らないことを選んでいる。その代わり、崩れかけた壁、空色のアーチ型天井、風化したスローガン、フレスコ画、そして教会の大理石のアーチが、どの写真にも劣らない物語を紡ぎ出している。
ヴィタリはかねてよりカメラを社会調査の道具として用いており、この住居の選択は、人々が集う場所に対する彼の関心をさらに反映している。「私の写真は、人々に対する深い好奇心から生まれています」と、この写真家は語る。「彼らが何をするか、そしてどう考えるか、ということに対してです。」