Photographers in Focus:ダイアナ・マルコシアン
ドキュメンタリー写真家が、ポスト・ソビエト期のロシアからサンタバーバラに至るまで、自らの人生というドラマを綴り上げていく
モスクワの閑散とした食料品店や実用一辺倒の大通りは、90年代初頭のカリフォルニアの華やかで眩いような魅力とはかけ離れていた。しかし、週に3晩、写真家のダイアナ・マルコシアンは、母と弟と共に、ロシア国営テレビで放送された同名の米国初のソープオペラを通じて、太陽の光が降り注ぐサンタバーバラの海岸へと誘われた。
『サンタバーバラ』(Aperture、2020年)は、この写真家のデビュー作となる写真集のタイトルでもあり、ソ連崩壊後の1996年にロシアから米国へと移住した彼女の家族が経験した劇的な変遷を綴っている。物語の語り口における実験的なアプローチで知られる彼女は、自身の生い立ちからインスピレーションを得て、映画のスチール写真、脚本、そして家族写真から再構築したシーンを組み合わせた本作で、事実として読めながらもフィクションのように感じられる多面的な歴史を提示している。
マルコシアンの物語性を重視する才能は、『ニューヨーカー』や『ナショナルジオグラフィック』のプロジェクトを通じて彼女を世界の辺境へと導いてきたが、ドキュメンタリーの境界を押し広げる新世代の写真家たちの先頭に彼女を立たせたのは、実に母親の物語だった。それは、まだ一度も会ったことのないアメリカ人男性と結婚するために、幼い子供二人を連れてサンタバーバラへ逃れていったという物語である。
しかし、彼女の旅の中で最も重要な場所の一つは、20年間も口をきいていなかった父親に会うために訪れたアルメニアだった。本エピソードで紹介される『Inventing My Father』(2013年)や『Mornings (With You)』(2016年)といった一連の作品を通じて、マルコシアンは置き去りにされた男の生活がどのようなものだったのかを突き止めようとし、二人が築き得たかもしれない関係を想像し、自分には決して芽生えることのないであろう感情を探求している。結局のところ、マルコシアンが描く極めて型破りな家族の肖像は、失望と欲望、そしてアメリカン・ドリームについての考察であり、これらはすべて、説得力のあるメロドラマの要素を兼ね備えている。