​Rituals: Memories of a Wedding

タクワ・ビント・アリはチュニジア南部のザルジスに戻り、家族を歴史と伝統に結びつける文化的行事として結婚式の風習を観察する

チュニジア南東部の海岸線にある町ザルジスを訪れた、フランス生まれのチュニジア人クリエイター、タクワ・ビント・アリは、短編映画『Memories of a Wedding』を通じて、自身のルーツと家族の故郷に息づく豊かな結婚の伝統に敬意を表している。

ザルジスの結婚式の集いを、世代を超えて絆を築く深遠な文化的行事と捉えたタクワ・ビント・アリは、これらの儀式や慣習に織り込まれたアイデンティティの感覚を捉えている。それは歴史に深く根ざした伝統でありながら、現代化の波に押され、徐々に失われつつあるものである。


タクワ・ビント・アリは、自身の幼少期の記憶と、それを形作った文化を振り返りながらフランスで育った自身のルーツとのつながりとして、古い写真や粒子の粗い映像を基に家族のアーカイブを丹念に探る懐かしさを描き出している。ザルジスでいとこや友人たちと共に撮影された『Memories of a Wedding』は時を超えた温もりを感じさせる映像美を湛え、ザルジス特有の価値観の捉え方と継承の在り方を通じて愛と結婚というテーマを軸に据えている。本作は、過去を尊重しつつ、それを現在へとつなぐ架け橋となる作品である。